Developers Boost 2020 に参加してみました

Developers Boost 2020 に参加してみました

こんにちは。最近、 Ryzen 9 5950X が大変気になっている k-so16 です。今までずっと Intel の CPU を使ってきましたが、最近 AMD も盛り上がっているようで興味が湧いてきたので、これを機に載せ替えてみたいなと思っています(笑)

12/12 に開催された Developers Boost 2020 に参加してみました。副題に「U30 エンジニアの登竜門」とついているように、 30 歳以下のエンジニアを対象 としたカンファレンスで、ちょうど対象者だったので参加してみることにしました。

本記事では、Developers Boost に参加した所感を中心にイベントの様子について紹介します。昨今の事情から、今年は Developers Boost 史上初のオンライン開催 でしたので、オンライン参加の所感についても触れていきたいと思います。

なお、同日に PHP Conference Japan 2020 が開催されており、 こうへい さんが参加レポート を執筆しました。そちらもぜひご覧ください。

参加の動機

しばらくの間、 IT 系の勉強会に参加していなかったのですが、そろそろ何か勉強会に参加したいなと SNS に投稿したところ、 Developers Boost を勧められたので参加してみることにしました。

過去に勉強会でお会いしたことのある方にお誘いいただいたこと、お誘いいただいた方とは別に過去に勉強会でお会いしたことのある方が登壇されるということもあり、参加が楽しみになりました。勉強会などのコミュニティでの繋がりを持つメリットを再認識しました(笑)

コミュニティ活動から足が遠のいた理由

IT 系の勉強会がオンライン開催になってから 1, 2 回程度参加したことがあるのですが、以下の理由から参加を渋るようになってしまいました。

  • リアルタイムで聴講者の反応が得られない
    • チャットや Twitter などでの反応にはどうしても タイムラグが生じる
  • コミュニティでの繋がりを作りづらい
    • 懇親会などのような参加者同士での議論などで繋がりを持つ機会をオンラインで実現することが難しい

何度か勉強会に登壇したことのある身としては、リアルタイムで聴講者の反応が得られないと結構 不安 になります。オンラインチャットや Twitter のハッシュタグなどを利用すれば、ある程度反応は追えるのですが、どうしても タイムラグ が発生します。聴講者側でも、ウケ狙いのスライドなどで笑ったりする場合でも、やはり一人だと虚しいもので、いかに 会場の聴講者のリアクション が重要かをまざまざと感じさせられます。笑っても一人。

また、 スライドがちゃんと映っているか声が聴講者側に聞こえているか などを気にかける必要があったり、なんらかの不具合で 途中で配信が切れていてもすぐに気付けないまま進んでしまう おそれもあります。こちらも聴講者側のリアクションがすぐに得られないので、どのあたりから途切れて、 どこから再開すれば良いかが分かりづらい という問題があります。

従来の対面での勉強会では、発表が一通り終わった後に懇親会が行われることが多く、 登壇者と複数の参加者で感想や意見交換などによる交流 をする機会がありました。しかし、オンラインでの実施となると、対面のときのように懇親会を開くことが難しく、現段階ではオンラインでの勉強会では発表のみで懇親会がないものが多く感じます。

イベントの概要

イベントは、 9:50 から 18:50 まで 1 日を通して 18 セッションがオンラインで行われました。1 セッションの持ち時間は 20 分で、配信用のページとは別に質疑を行うためのオンラインルームが設けられていました。

イベント全体を通して、技術的な話を中心に、というよりは、若手エンジニアが今後活躍していくためにどのように進んでいけば良いかといった、 エンジニアとしての生き方 を考えるといったことが主な内容でした。

本記事では、私の主観で特に印象に残ったセッションを紹介します。

コミュニティ活動で差別化をめざすエンジニアとしての一手

株式会社ラクスの 加納 悠史 氏による、コミュニティ活動への参加のメリットについての発表でした。

このセッションでは、コミュニティへの参加のモチベーションとメリットについて説明されていました。コミュニティ活動のメリットとして以下の内容が挙げられていました。

  • 自身へのメリット
    • 聴講によって 新たな知識 を得られる
    • コミュニティでの繋がり を持てる
    • 登壇することで 知識の整理 ができる
  • 組織へのメリット
    • 会社の広報 に繋がる
    • 流行りの技術の動向などをキャッチアップ できる
    • コミュニティの繋がりから 入社に繋がる (かもしれない)
  • キャリアに対するメリット
    • 自分の アピールポイント が持てる
      • 自分の強みがアピールしやすい
      • コミュニティ活動への寄与がアピールできる
    • 人脈 を広げられる
    • コミュニティの運営によって 基礎能力 が得られる
      • 企画力・コミュニケーション力が養われる

また、コミュニティ活動へのモチベーションの持ち方やステップについても述べられていました。

  1. コミュニティを 覗いてみる
    • まずは発表を聴講して様子を見る
    • 楽しそう をモチベーションになる
  2. コミュニティに 参加してみる
    • 意見交換や登壇に挑戦してみる
    • 学習した内容をコミュニティで共有する
      • アウトプットで知識整理や新たな学びが得られる
      • 達成感や承認欲求が得られる
  3. コミュニティを運営する
    • 情報の量や質が高まる
    • コミュニティを盛り上げるためのモチベーションが高まる

セッションを通して、 コミュニティ活動の楽しさ やメリットが述べられているだけでなく、 実際にコミュニティを運営することの難しさ にも触れられていました。加納氏は Web×PHP Tech Cafe という勉強会のコミュニティ運営に関わっており、参加者が集まらなかったり、登壇者がいなかったりなどの 実際の体験に基づいた運営側の悩み についても具体的に述べられていました。

Drupalでアプリケーション開発を始めよう

アクイアジャパン合同会社 の 丸山 ひかる 氏による、最新の Drupal における手軽な Web アプリケーション開発についての発表でした。

このセッションでは、 Drupal にあまり馴染みのない人を対象に、 Drupal が何か、どのような長所があるかを説明されていました。

  • Drupal は PHP 製のオープンソースの CMS
    • Drupal 8 以降から Symfony を採用
  • Drupal は CMS と Web フレームワークの中間の立ち位置
    • 簡単なブログから Web サービスまで幅広く利用可能
  • 4 万個以上もの公開モジュール が利用可能
    • 特定の用途に特化したディストリビューションも存在

Drupal 8 から Symfony を導入したことから、 モダンな開発 ができるようになりました。一方で、バージョン 7 から 8 へのアップデートはほとんど 1 から作り直さなければならないような 破壊的な変更 になり、 移行が進んでいない という実情もあるようです。

アウトプット駆動キャリア

アクセンチュア株式会社 の 土田 晃令 氏による、 アウトプットすることのメリット についての発表でした。

このセッションでは、アウトプットすることのメリットと、モチベーションの持ち方や方法について述べられていました。

  • キャリアは アウトプットの積み重ね
    • 勉強会での登壇やブログの執筆だけでなく、プログラミングや SNS での情報発信もアウトプット
    • 規模に関わらずアウトプットを積み重ねることでキャリアを形成
    • まずは小さなアウトプットから スタートして アウトプットを継続
  • アウトプット駆動による効率的な学習
    • アウトプットする際にインプットが増える
    • アウトプットすることでインプットのみに比べて効率的に学習できる

アウトプットの重要さが述べられているだけでなく、アウトプットをどのように行うかのコツについても述べられていました。

  1. テーマを探す
    • ニュースや SNS などの情報を探してみる
  2. テーマを決める
    • 自分の興味を持ったものやトレンドなどからテーマを決める
  3. 実際にアウトプットする
    • 取り組みやすいレベルからスタートする

アウトプットというと、 カンファレンスの登壇 であったり、 書籍の執筆 が思い浮かびやすいですが、 日々のプログラミングSNS での勉強会の実況の発信 なども 立派なアウトプット だと述べられていました。 アウトプットを継続 するためには、まずは 興味のあるテーマ を探して、 小さくてもアウトプットする ことが重要です。

所感

セッションを聴講して

今回の Developers Boost のセッションを聴講して、エンジニアとしての将来について、 様々な考え方に触れることが出来た という点は非常に収穫になったと思います。登壇者の方の 経歴体験談 を聞くことで、将来自分がどのようなことをしたいか (何かの技術に深く特化するのか、マネジメントに携わるかなど) を決める際に非常に参考になりそうだと感じました。

特にアウトプットに関していえば、ブログの執筆や勉強会への登壇を行ってきた身として 共感できる点が多かった です。ブログの執筆中や勉強会の登壇資料の作成中に 疑問点 が出てくるので、さらに調べて深く掘り下げる といった経験は筆者自身何度もあります。技術に限らず、何かを学ぶ際には インプットが中心 になりがちですが、アウトプットすることで 新たなインプットのきっかけ も得られるので、インプットだけでなく アウトプットも積極的に 行っていきたいところですね。

聴講したセッションの中には、知見を持っていない技術についても紹介されていたので、これらについても学んでいきたいところです。特に Drupal については、 CMS から大規模 Web サービスまで幅広い範囲で利用できるとのことだったので、いずれ試してみたいと感じました。

オンライン参加で感じたメリット

オンラインでの勉強会のメリットとしては、インターネットに繋がっていれば 場所を問わず参加できる ことが大きいと感じました。聴講者はもちろんのこと、登壇者も場所を問わず 全国各地から気軽に参加できる 点はオンライン開催の強みだと思います。

今回の Developers Boost では、セッション後に 登壇者に質疑のできるオンラインルーム のシステムが導入されていたのも面白い試みだと感じました。セッション後に登壇者に質問をしたいけれど、対面では緊張するという方にとっては質問のハードルが下がるのではないかと思います。

しばらく IT 系の勉強会への参加を渋っていましたが、参加意欲も戻ってきたので、少しずつ聴講や登壇に参加していきたいと思います。オンラインでの勉強会ならではの面白さを発見して、自分なりに楽しめるようになりたいものです(笑)

k-so16