[Node.js] Express のプログラムを ES6 の構文で記述する方法

[Node.js] Express のプログラムを ES6 の構文で記述する方法

こんにちは。最近、初めてクッキーづくりに挑戦した k-so16 です。思った以上に難しくて失敗しましたが、最終的になんとか食べられるものになって一安心しました(笑)

業務で Express を使ってサーバーサイドのプログラムを構築しているのですが、フロントエンドでは Nuxt.js で開発を進めており、フロントエンドとサーバーサイドで構文を ECMAScript 2015 (以下 ES6 と表記) で統一したいと思いました。 Express のプログラムは Node.js 上で動作させるので、基本的に CommonJS の構文で記述するのですが、 ES6 の構文で記述する方法 がないか調べてみました。

本記事では、 Express のプログラムを ES6 の構文で記述する方法 を紹介します。

本記事で想定する読者層は以下の通りです。

  • Node.js の基礎知識を有している
  • CommonJS と ES6 の構文について基礎的な知識を有している

Babel を利用する方法

Babel という JavaScript の変換ライブラリには、 ES6 で記述されたプログラムを Node.js 上で動作させるためのパッケージが用意されています。 Babel のパッケージ @babel/node をインストールすることで、 babel-node コマンドが利用できるようになります。

ES6 の構文で記述された Express のプログラムを babel-node コマンドで実行することで実行します。

Babel のインストール

ES6 を利用するための Babel のパッケージのインストールコマンドは以下の通りです。

  • yarn を利用する場合

    yarn add @babel/core @babel/node @babel/preset-env -D
  • npm を利用する場合

    npm install @baberl/core @babel/node @babel/preset-env -D

設定ファイルの作成

Babel をインストールしたら、 Babel の設定ファイルを記述します。 Babel の設定は .babelrc というファイルに記述します。今回は presets に先ほどインストールした @babel/preset-env を指定します。

設定ファイルの記述例は以下の通りです。

.babelrc
{
  "presets": [
    "@babel/preset-env"
  ]
}

プログラムの実行

先ほども記述した通り、 ES6 で記述された Express のプログラムを babel-node コマンドを利用して実行します。

例えば、以下のような ES6 の構文で記述されたプログラムを app.js というファイル名で保存したとします。

import express from 'express';

const app = express();
app.use(express.json());
app.use(express.urlencoded({ extended: true });

app.get('/', (req, res) => {
  res.json([
    { message: 'Hello, World' },
  ]);
});

app.listen(3000, () => console.log('Hello!'));

このプログラムを Node.js で動かすには、以下のように babel-node コマンドの引数に app.js を指定して実行するだけです。

babel-node app.js

ただし、グローバルインストールをしない限り babel-node にパスが通っていないので、 package.jsonscripts などにコマンドを指定し、 yarnnpm 経由で実行すると良いでしょう。

プログラムを実行し、ブラウザなどで localhost:3000 にアクセスすると、以下の JSON がレスポンスとして返ってきます。

[
  { "message": "Hello, World" }
]

package.json で設定する方法

Node.js の v12 から package.jsontypemodule を指定すると Babel などのライブラリをインストールせずに ES6 の構文で書かれたプログラムを Node.js で実行 できるようになります。

package.json への指定の例は以下の通りです。

{
  "type": "module",
  以下省略
}

プログラムを実行する際は、通常の Node.js のプログラムと同様に node コマンドを利用して実行します。

node app.js

注意点として、執筆時点の最新バージョン (v14.11.0) では、この機能は 実験段階 のようです。ご利用は計画的に(笑)

本記事を執筆する上で、以下の記事を参考にしました。

まとめ

本記事のまとめは以下の通りです。

  • ES6 の構文で記述した Express の実行方法を紹介
    • Babel を利用する方法
    • package.jsontypemodule を指定する方法

以上、 k-so16 でした。 JavaScript って難しいですね(笑)

k-so16