FortiGate から SSL VPN設定がGUIから消えた?FortiOS 7.4.1の仕様変更

FortiGate から SSL VPN設定がGUIから消えた?FortiOS 7.4.1の仕様変更

こんにちは。

FortiOS 7.4.1以降、SSL VPNのデフォルト動作とGUIの可視性に関する仕様変更が加えられました。

この変更により、SSL VPN設定が初期状態では非表示となり、設定方法や管理が変更されています。本記事ではその詳細と対処法について解説します。 ※ 今回評価した環境は バージョン 7.4.5 build2702 です。

FortiOS 7.4.1 の主な変更点

  1. 表示機能設定の非表示化 デフォルトでシステム-表示機能設定から非表示になります。

    2024 11 26 12h35 00

    旧バージョンの表示機能設定

  2. SSL VPN Webモードの非表示化
    デフォルトでSSL VPN Webモードの設定が無効化され、GUIおよびCLIから非表示になります。

  3. トンネルモードとメニューの非表示化
    トンネルモードの設定とVPN > SSL-VPNメニューもデフォルトでGUIから非表示となります。

  4. CLIでの設定分離
    VPN GUIの機能可視性設定がIPsecとSSL VPNで分離されました。

    • IPsec:set gui-vpn (デフォルトは有効)
    • SSL VPN:set gui-sslvpn (デフォルトは無効)
  5. 警告メッセージの追加
    GUIのSSL VPN設定ページに、リモートアクセスの代替案を示す警告メッセージが追加されました。

  6. セキュリティレーティングの新しいチェック項目
    Security Fabric > Security Ratingに新しいチェック「Disable SSL-VPN Settings」が追加され、SSL VPNが有効の場合にチェックが失敗します。

設定方法

SSL VPNメニューの表示

GUIメニューを有効化するには、以下のCLIコマンドを使用します。

config system settings
set gui-sslvpn enable
end

これで、SSL-VPNのメニューが表示されます。

2024 11 26 13h26 15

SSL-VPNの機能が有効化

デバイスのアップグレード後の挙動

FortiOS 7.4.1 より前のファームウェアでSSL VPN設定が有効化されていた場合、アップグレード後も設定とメニューは保持されます。一方、初期状態や設定が無効だった場合、GUIおよびCLIから非表示となります。

代替案:IPsec VPNとZTNA

Fortinetは、SSL VPNに代わるリモートアクセスソリューションとしてIPsec VPNやZTNAの利用を推奨しています。

詳細情報

さらに詳しい情報については、Fortinet公式ドキュメントをご覧ください。

Fortinet公式ドキュメント: Update SSL VPN default behavior and visibility in the GUI 7.4.1

FortiOS 7.6.0 における注意点について

なお、執筆時点で最新バージョンである 7.6.0 では、メモリー2G搭載モデルを対象として、SSL-VPN機能が無効化されたようです。 メモリーの確認は、diagnose hardware sysinfo conserve というコマンドで可能です。

SSL-VPNを利用している場合は、アップデートを避けるよう案内されていますので、注意してください。

2024 11 26 15h29 20

メモリ容量の確認コマンド

参考ページ:

【FortiGate】FortiOS7.6.0における一部小型モデルの仕様変更について|大塚商会

SSL VPN removed from 2GB RAM models for tunnel and web mode | FortiGate / FortiOS 7.6.0 | Fortinet Document Library

それでは、次回の記事でお会いしましょう。

norikazum