Amazon EC2 を別のリージョンへ移行する
こんにちは、じんないです。
AWS 環境において Amazon EC2 (Amazon Elastic Compute Cloud) を利用されている方も多いのではないでしょうか。
今回は特定のリージョンで稼働させている EC2 インスタンスを別のリージョンへ移行する方法を紹介します。
想定環境
- 移行元のリージョン:ap-northeast-1 (東京)
- 移行先のリージョン:ap-northeast-3 (大阪)
- EBS ボリューム構成
- OS 領域:30 GiB
/dev/xvda
- データ領域:20 GiB
/dev/sdf
- OS 領域:30 GiB
Amazon EC2 サービスの基本操作ができる方を読者対象としています。詳細な手順は割愛していますのであらかじめご了承ください。
スナップショットの作成とコピー
まず、左ペインのスナップショットから [スナップショットの作成] をクリックし、インスタンスのスナップショットを取得しておきます。EBS ボリュームが1つの場合はボリュームのスナップショットでも問題ありません。
また、ライフサイクルマネージャーによる定期的なスナップショットを作成している場合、そのスナップショットを使うこともできます。
スナップショットのステータスが 完了済み
になるまで待ちます。
スナップショットの作成が完了したら、移行先のリージョンへコピーします。
対象のスナップショットを選択し、アクションから スナップショットをコピー
をクリックします。複数ある場合にまとめて移行できないところが残念なポイントです。
送信先のリージョンを選択し、スナップショットをコピーします。今回は大阪リージョン ap-northeast-3
へコピーします。
リージョンを切り替えてスナップショットを確認し、スナップショットのステータスが 完了済み
になっていれば OK です。
スナップショットからマシンイメージ (AMI) を作成
コピーしたスナップショットからマシンイメージ (AMI) を作成します。OS 領域が格納されたスナップショットを選択し、アクションから スナップショットからイメージを作成
をクリックします。
ルートデバイス名は元のマウントポイントと合わせます。今回の例では /dev/xvda
です。
ボリュームが複数ある場合は、ボリュームを追加しイメージを作成します。この時も同様にマウントポイントに注意しましょう。今回の例では /dev/sdf
へ変更しています。
もともとあったボリュームがすべてそろわないとインスタンスの起動ができないので気を付けてください。
左ペイン AMI から作成したマシンイメージを確認できます。
AMI から EC2 インスタンスを作成
作成した AMI から EC2 インスタンスを起動します。
インスタンスタイプは元のものと同一の t3.micro
を選択しました。違うタイプでも大丈夫だと思いますが、サービスが起動しないなど予期せぬトラブルを回避するために同一以上のものを選ぶことを推奨します。
キーペアは新たに作成するか、既存のものを使用するか選択します。今回の例では新たに作成しました。
起動したインスタンスのステータチェックが合格すれば完了です。
作成した(または既存の)キーペアでインスタンスに接続できることを確認しておきましょう。
別リージョンへ移行できないもの
セキュリティグループ
セキュリティグループは別リージョンへのコピーができないので、新規作成する必要があります。
同じインバウンドルール、アウトバウンドルールを設定しましょう。
あるセキュリティグループから、同じ AWS リージョン内で作成された新しいセキュリティグループにルールをコピーすることができます。
既存のセキュリティグループから新しいセキュリティグループへルールをコピーする
Elastic IP アドレス
Elastic IP (固定のグローバル IP) アドレスもまた、別リージョンへ移行できないようです。
DNS のレコード変更で対応しましょう。
Elastic IP アドレスは特定のリージョン専用であり、別のリージョンに移動することはできません。
Elastic IP アドレス - Amazon Elastic Compute Cloud
AMI を作成してからコピーする方法も
今回紹介した例はスナップショットを別リージョンへコピーし、その後インスタンスを起動する方法でした。
マシンイメージ (AMI) の作成まで同一リージョンでしておいて、その後 AMI を別リージョンへコピーする方法でも可能なようですね。
Amazon EC2 で、ある AWS リージョンから別の AWS リージョンに AMI をコピーする
お好きな方法で試していただければと思います。
ではまた。