Red Hat Enterprise Linux 10をインストールしてみた

はじめに
2025年5月20日(米国現地時間)、Red Hatは最新のエンタープライズ向けLinuxディストリビューション Red Hat Enterprise Linux 10 を正式にリリースしました。
この記事では、 Red Hat Enterprise Linux 10のサポート期間、主な変更点、そして実際のインストール手順について解説します。
Red Hat Enterprise Linux 10のサポートライフサイクル
- リリース日:2025年5月20日
- フルサポート終了:2030年5月31日
- メンテナンスサポート終了:2035年5月31日
- 延長ライフサイクルサポート(ELS)終了:2038年5月31日
情報元: endoflife.data
主な変更点と新機能
✅ ハードウェア要件の更新
- 32ビットx86アーキテクチャのサポート終了
- x86-64-v3 以降のCPU(Intel HaswellまたはAMD Excavator以降)必須
情報元: Red Hat Enterprise Linux 10 starts trickling quietly out • The Register
✅ セキュリティとコンプライアンスの強化
- ポスト量子暗号アルゴリズムの導入
- OpenSSLのFIPS認証とCVEパッチ適用の分離
情報元: What’s next? Red Hat Enterprise Linux 10 and beyond)
✅ AI支援・開発者支援の強化
- Red Hat Enterprise Linux Lightspeed:生成AIによるCLI支援
- 最新の開発ツール群:PHP 8.3、nginx 1.26、Git 2.47 など
情報元: What is new in Red Hat Enterprise Linux 10 and beyond
✅ クラウド/コンテナー統合の強化
- AWS / GCP / Azureとの統合強化
- Webコンソールの改善(Stratis FS管理、HAクラスター統合など)
インストール手順とスクリーンショット
実際にインストールを行った手順を、スクリーンショット付きで解説します。
利用したメディアは、Red Hat Customer Portal からダウンロードした rhel-10.0-x86_64-boot.iso
を利用しています。
- ブート画面は旧バージョンと特に変わっていません
- 言語選択画面も変わりません
- インストール概要の画面です。2つほどこれまでと異なる点があります。
- 1つめは、インストールソースがデフォルトで「Red Hat CDN」となっている点
- 2つめは、デフォルトで「rootアカウントが無効になっています」となっている点
- インストールソースをブートディスクに変更しようと「自動検出したインストールメディア」を選択しますが、末尾に「失敗した」とでています。
- 確認すると、インストールソース が正しく読み込めず、必要なメタデータ repomd.xml を取得できなかったというエラーでした。デフォルトがCDNになっているということはRed Hat 社の意図を感じましたのでこれ以上頑張らず、CDNでインストールを進めました
- インストール概要の「Red Hat に接続」からRed Hatにログインします。※ ライセンス契約があるアカウントの必要があります
- ログインに成功したことが確認できました
- ソフトウェアの選択が選べるようになりました。今回は「最小限のインストール」で進めます
- root アカウントがデフォルトで無効化になっている内容を確認します
- インストールを開始します
- インストールが完了しました。およそ10分程度要しました
インストール直後のカーネルは バージョン確認6.12-0-55.12.1.el10_0.x86_64
、OSバージョンは Red Hat Enterprise Linux release 10.0 (Coughlan)
でした。
あとがき
初めて業務で触ったバージョンが、3 だったと思うので約20年でバージョンアップが7回もあったと思うと、感慨深いですね。
それでは、次回の記事でお会いしましょう。