FortiClient VPN で SSL VPN 接続時にパスワードを保存する方法

FortiClient VPN で SSL VPN 接続時にパスワードを保存する方法

こんにちは。

今回は、FortiClient を利用して、SSL-VPN で接続する際のパスワードを保存する方法を紹介します。

標準では、以下のようにユーザー名は保存できますが、パスワードは毎回入力になります。

2024 09 24 17h52 47

接続画面

このパスワード入力を、毎回面倒だ! と思っている方、多いのではないでしょうか?

そんな方に朗報です。 以下の手順でパスワードを保存できます。

  1. クライアント OS は Windows を対象とする
  2. FortiGate の設定変更
  3. 接続元端末のレジストリ値変更
  4. これまでと同じように接続する

上記の流れで、パスワードが保存され、次回以降の入力を省くことができます。

それでは、具体的な設定を紹介します。

設定方法

前提

  • 設定名称を MSEN とします
  • FortiOS は、v7.2.7 build1577 とします
  • 接続元ユーザーに設定されている SSL-VPN ポータルは tunnel-access とします
  • FortiClient のバージョンは 7.0.1.0083 とします

FortiGate の設定変更

  1. FortiGateに管理者でログインします
  2. VPN → SSL-VPNポータル → tunnel-access に進みます
  3. トンネルモードオプションの クライアントがパスワードを保存することを許可する を ON にします
    • この変更で 接続済みのVPNセッションは切断されません

接続元端末のレジストリ値変更

  1. レジストリエディタを開き、 HKEY_CURRENT_USER\Software\Fortinet\FortiClient\Sslvpn\Tunnels へ進みます。デフォルトは画像のようになっています。
    2024 09 24 22h09 42

    デフォルト値

  2. 管理者でコマンドプロンプトを開き、以下のコマンドを実行します。MSEN の部分は設定名称です。
    reg add HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Fortinet\FortiClient\Sslvpn\Tunnels\MSEN /v show_remember_password /t REG_DWORD /d 1 /f
  3. show_remember_password が、1 になったことが確認できます。
  4. 接続設定を確認すると、パスワードを保存 というチェックボックスが出ていることが確認できます。
    2024 09 24 22h15 11

    パスワード保存のチェックボックス

以下の赤枠のレジストリ値が増えていることを確認できます。

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変更されたレジストリ値

これまでと同じように接続する

  1. パスワードを保存にチェックを入れた状態 でこれまでどおり接続します。
  2. 切断しても、パスワードが保存された状態になります。
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    パスワード保存された状態

以上で、FortiClient を利用して、SSL VPN接続する際のパスワードを保存できます。

参考情報

自動接続するには EMS (専用サーバ)が必要

SSL-VPNポータルの設定を変更する際、気になった方もいるかもしれませんが、クライアントの自動接続を許可する という項目があったと思います。

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クライアントの自動接続設定

設定を ON にしたあと、クライアントマシンで管理者としてコマンドプロンプトを開き、以下のコマンドを実行します。MSEN の部分は設定名称です。

reg add HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Fortinet\FortiClient\Sslvpn\Tunnels\MSEN /v show_autoconnect /t REG_DWORD /d 1 /f

show_autoconnect が、1 になったことが確認できます。

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変更されたレジストリ値

これで、自動接続のチェックボックスが出現 しました。

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自動接続のチェックボックス

しかし、チェックを入れると、以下のように表示され、FortiClientの無料バージョンでは使用できない ことが分かります。

This feature is unavailableと表示

This feature is unavailableと表示

某代理店に確認したところ、25endpoint 1年間ライセンス で 85,000円 (税抜) でした。

参考記事: 【3分で分かるFortinet】【第18回】FortiClient/EMS(Fabric Agent) 機能概要|技術ブログ|C&S ENGINEER VOICE

保存したパスワードを削除

保存したパスワードを削除するためには、SavePass のレジストリ値を 1→0 に変更します。

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保存したパスワードの設定(削除前)

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保存したパスワードの設定(削除後)

設定を読み直すと、保存したパスワードが削除されています。

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保存したパスワードが削除

FortiGate側の設定を実施していない場合

FortiGateのSSL-VPNポータル設定を変えずにレジストリ値を変更しても、接続後に切断するとチェックボックスが消え、パスワード保存は反映されず、レジストリも元に戻ります。

本設定は、セキュリティに関わるものとなりますので、設定を採用する場合にはご自身の責任で実施いただきますよう お願いいたします。

それでは次回の記事でお会いしましょう。

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