Active Directory で一般のドメインユーザーがドメイン参加できる上限値を増やす

Active Directory で一般のドメインユーザーがドメイン参加できる上限値を増やす

こんにちは、じんないです。

Active Directory では一般のドメインユーザー (Domain Users権限) でもコンピューターをドメインに参加させる権限があります

しかし、その台数の上限値は決まっており、一般のドメインユーザーで10台です。

上限値を超えた場合は以下のようなエラーが出てコンピューターをドメインに参加できません。

ドメイン “ドメイン名” を参加中に次のエラーが発生しました:

このコンピューターをドメインに参加させることができませんでした。 このドメインに作成できるコンピューター アカウントの最大数を超えています。 システム管理者に問い合わせて最大数をリセットするか、または増やしてください。

エラーメッセージ

エラーメッセージ

一般のドメインユーザーがドメイン参加させることのできる上限値を増やすには、ドメインの設定変更が必要です。今回はその設定方法を紹介します。

ドメインの設定を変更したくない場合(運用でカバーする場合)の回避策も紹介していますので、併せてご参照ください。

ドメインの設定変更を誤ると OS の再インストールが必要になる場合があります。設定を変更する場合は十分に注意してください。

想定環境

  • ドメインコントローラー OS: Windows Server 2016 Standard
  • ドメインの機能レベル:Windows Server 2016
  • フォレストの機能レベル:Windows Server 2016

ドメインユーザーがドメイン参加させられる上限値を増やす

[Windows 管理ツール] から [ADSI エディター] を起動します。

ADSI エディターの起動

ADSI エディターの起動

DC=<ドメイン> で表示されたオブジェクトを右クリックし、[プロパティ] を開きます。

プロパティの起動

プロパティの起動

ms-DS-MachineAccountQuota で設定されている値が一般のドメインユーザーがドメイン参加させることのできる上限値です。この値を任意の値に変更します。

※ この設定はドメイン全体に影響があります。特定のユーザーのみに適用はできません

上限値の変更

上限値の変更

これで一般のドメインユーザーがドメイン参加させられるコンピューターの上限値を変更できました。

再度ドメイン参加を試してみてください。

設定を変更せずにできる回避策

ドメインの管理者が参加させる

当たり前ですが、一番よいのはドメインの管理者 (Domain Admins) がドメイン参加させることです。

なお、Domain Admins グループのメンバーは制限なくドメイン参加させることができます。

この権限だけを委譲できるか調べてみましたが、そのような情報はありませんでした。

事前にコンピューターオブジェクトを作成しておく

他には事前にコンピューターオブジェクトを作成しておく方法があります。

ドメインの管理者があらかじめコンピューターオブジェクトを作成することで、一般のドメインユーザーでも制限なく参加させることができます。

[Active Directory ユーザーとコンピューター] からコンピューターを新規作成します。

コンピューターの新規作成

コンピューターの新規作成

デフォルトの所有者が Domain Admins になっているため、[ユーザーまたはグループ]を Authenticated Users に変更します。

所有者の変更

所有者の変更

OK をクリックして完了します。

OK をクリック

OK をクリック

あとはクライアント側でドメイン参加するだけです。一般のドメインユーザーでも制限なくドメイン参加させることができます。

いずれにしてもドメインの管理者による対応が必要ですので、ドメインの管理者が作業するのが良いのかなと思います。

運用方法に応じて使い分けてみてください。

参考

Default workstation number a user can join to the domain - Windows Server | Microsoft Learn

jinna-i